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鳴門支局 大城咲

 「コウノトリが鳴門に巣を作っている」。昨年5月、こんなニュースが入ってきました。ニュース価値も分からないまま、地元の人に場所を聞いて現場までたどり着くと、電柱の巣の上に1羽のコウノトリが静かにたたずんでいました。「これがコウノトリなのか」と不思議に思いながら、初めて見た鳥を夢中でカメラに収めました。
 一度日本で絶命したコウノトリは、兵庫県豊岡市などで人工・野外繁殖されていますが、豊岡市周辺の丹羽地方以外で営巣するのは初めてです。翌日の朝刊1面に載り、大きなニュースになりました。
 それから約9カ月、巣の付近に通って2羽に変化があれば記事にしていました。雄と雌のペアは、一度台風で巣が飛ばされながらも巣を「再建」し、大麻町に定住していました。
 頻繁に顔を合わせる地元の観察者とは、情報交換をしつつ温かく巣を見守りました。「ヒナがかえるといいな」と親心で2羽の様子を見ている人もいました。
 繁殖期に入って2カ月ほどたった、3月下旬のある日「コウノトリが産卵したらしい」との連絡がありました。巣の中は誰も確認できないので半信半疑でしたが「でも本当なら大ニュースだ」と思い、あらゆる関係先に取材し、翌日の朝刊に記事を載せました。
 翌日、コウノトリの定着を目指す協議会が「産卵している可能性が高い」と発表し、地元は歓喜しました。その様子を見て、記事にならない取材も何度もありましたが、地元が待ち望んでいたニュースをいち早く報じることができ「支局記者でよかった」と思いました。
 徳島新聞は、県内に12の支局を持ち、地域密着の報道を心掛けています。そこに住んで生活し「地元民」になるからこそ、読者に寄り添ったニュースが書けるんだと思います。喜びや怒り、悲しみなどさまざまな感情がストレートに感じられる現場で、私たちと一緒に働きませんか。

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